材料特性

上の図で解析するうえで重要なのはAの比例限度である。Aのところまでは線形解析ができるから。

Bの弾性限度はそれ以上になると塑性歪が発生し永久歪が残ることになるので設計の許容限度点として重要である。ただ、弾性限度というのはいったん引っ張った後、元に戻してみて永久歪が発生しているかを見なければならず、この点を材料試験で特定するのは困難である。その点、降伏点は力が抜ける点なのでわかりやすい。

また、A,B,C点は同じ付近にあるし、ほぼ線形とみなすこともできるので降伏応力を許容応力として設計することが多い(ほとんどである)。もちろん、解析の誤差、材料のばらつきなどもあるのである程度の安全率をとって設計するということもある。

座屈

座屈は突然発生するので構造設計している者にとっては、脅威である。

ただ、座屈を起こす前に降伏応力を超えることが通常なので降伏応力を基準に設計していればいいが細長い部材や薄い板だと座屈が先に発生することがある。
設計するときはできるだけ軽量に、部材を少なくしようとする。通常は降伏応力を基準に設計するので、あまりにも部材を薄くしすぎると座屈も考慮しなければならなくなることを忘れがちになるので注意が必要だ。

耐衝突性能

新聞報道では炭素繊維が鉄の数倍の強度を持つ、などと書かれるがその「強度」というのはあくまでも引張強さのことで、確かにその部分だけを見れば鋼より優れているように見える。

だが、例えば自動車の衝突を考えるとき、衝突の運動エネルギーをどれだけ吸収できるか、車体で吸収できなかった分は人体が吸収するしかないので、材料を選ぶ際の重要な要素になる。

その点、鋼は降伏応力を超えたところで粘りを見せる。炭素繊維のようにプチン、と切れてしまうということがない。材料が吸収できるエネルギーはひずみ×応力(変位×力)と比例するのでざっくりと言えば上の図のようになる。鋼が破断までに吸収できるエネルギー量ははるかに大きいことが分かる。

他にも炭素繊維が強度部材に本格的に採用されるには圧縮強度とか異方性とかいろいろな問題を抱える。

まだまだ鉄器時代は続くだろう。