耐衝突性能

新聞報道では炭素繊維が鉄の数倍の強度を持つ、などと書かれるがその「強度」というのはあくまでも引張強さのことで、確かにその部分だけを見れば鋼より優れているように見える。

だが、例えば自動車の衝突を考えるとき、衝突の運動エネルギーをどれだけ吸収できるか、車体で吸収できなかった分は人体が吸収するしかないので、材料を選ぶ際の重要な要素になる。

その点、鋼は降伏応力を超えたところで粘りを見せる。炭素繊維のようにプチン、と切れてしまうということがない。材料が吸収できるエネルギーはひずみ×応力(変位×力)と比例するのでざっくりと言えば上の図のようになる。鋼が破断までに吸収できるエネルギー量ははるかに大きいことが分かる。

他にも炭素繊維が強度部材に本格的に採用されるには圧縮強度とか異方性とかいろいろな問題を抱える。

まだまだ鉄器時代は続くだろう。